「日機装コンソールを用いた透析モニタリング 〜自動血圧計とBV計の新しい活用方法〜」について発表しました。

日機装コンソールを用いた透析モニタリング

~自動血圧計とBV計の新しい活用方法~

岡垣腎クリニック 村山憲一

透析治療が開発された当初より透析中の患者管理は血圧値が中心であり、今もそれは変わっていない。しかし、血圧測定原理は手動(コルトコフ音)から自動(オシロメトリック法)へ変化し、血圧値の精度向上のみならず、血圧評価項目も増えている。2001年から自動血圧計内臓のコンソールが発売され、現在では自動血圧計の内臓は標準仕様となっている。しかし、自動血圧計が内蔵されて20年たった現在も血圧値の活用方法は変わらず、ディバイスの進化に現場スタッフが追従できていないのが現状である。

血圧測定項目が増えているにも関わらず、透析中の患者管理は、多くの透析施設で収縮期血圧のみが用いられており、オシログラフや平均血圧などを追加することで、透析中のイベントが減少する可能性がある。

Blood Volume計(以下BV計)は、2003年より発売されたが、明確な活用方法は存在せず、各透析施設が独自の判断で活用されているのが現状である。ΔBV%値を用いて透析中の血圧(除水)管理をするのが一般的であるが、シャント評価やドライウエイト評価などに活用されることは少ない。また、ΔBV%を活用して自動除水(BV-UFC)ができるようになり、スタッフの感覚で行われてきた恣意的な除水速度変更が、ΔBV値に基づいた除水速度変更となり、スタッフの力量に左右されない、治療の標準化ができるようになった。BV-UFCを用いることで、透析中イベントが減少し、手動除水に比し安全な透析ができるようになった。また、透析中および透析終了後の血液過濃縮が少なくなり、体にとって優しい除水方法であることもわかった。

オシログラフ、平均血圧、BV計などを組み合わせることにより、患者さんの体液管理が容易になり、血圧変動の少ない安全な透析治療が可能となってきている。

今回は、オシログラフ、新しいBV計の活用方法について紹介していきたい。